日本酒ものがたり | 飯沼本家

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日本酒ものがたり
第一話 日本酒はカミの酒

酒造り基礎知識

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いわゆる宗教的な意味合いではなく、日本は「神」の国だと思っています。


まだ古事記が編纂される以前、稲作が始められた縄文・弥生のころから、人々の暮らしに一番大事なことは「天気」だったに違いありません。今だって天気は大事な情報の上位に位置しているでしょう。稲を育て、食料を得ることは、生きることとイコールです。稲を育てるためには、太陽のご機嫌を絶えず伺っていなければならないのです。そのために人びとは、頭の「上」の方に向かって雨を降らせてほしい、降り注ぐ日差しが欲しいと願ったのだと思います。自然が織りなす森羅万象を「カミ」の行いとして、豊かな実りには感謝し、地震や雷には恐れおののいたのです。


日本酒は米を原料にします。この広い地球上でお酒は多種造られていますが、甘くない米のでんぷんから糖を作り発酵させるという、手間のかかる製造過程を経て造られるのは日本酒だけです。「カミ」から与えられた米ですから、「カミ」に捧げる特別な飲み物である日本酒は、まず最初に「カミ」に召し上がっていただきます。雨を降らせ、光を与えてくれる「カミ」は高いところに住んでいます。山のふもとや坂の下などに捧げたのち、「カミ」と一緒に酒を呑むことで、「カミ」への感謝を表したのではないでしょうか。


「日本酒」はこの「カミ」とともに日本で育まれてきました。さまざまな宗教が奉る神様とも違う、もっともっと私たち日本人の心の深いところに根ざしている「カミ」なのです。その「カミ」とは、もしかすると「自然」なのかもしれません。


酒蔵が今でも神事を大切にしているのは、そんな由来があればこそ。つまり、日本酒と神様には切っても切れない縁がある、ということなのです。


written by イイヌマ ミキコ


 


 

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