日本酒ものがたり | 飯沼本家

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日本酒ものがたり
第六話 なるようにしかならない、ということ

飯沼本家のひとびと

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私が此処に嫁いで早40年近くになる。この40年は本当に激動だった。昭和のノスタルジーを感じる時を経てバブル到来。そして暗黒の20年と言われる節約の時代。その時々で価値観が右に左に大揺れに揺れた。正解と思っていたものが不正解になり、失敗と思ったら、それがラッキーだったり…。


その中で酒蔵も大きく翻弄されてきた。もともと資産家が多い酒蔵は、バブル時に不動産投資に目を向け、大きな利益を得たところも少なくない。が、バブル崩壊と同時に大きな負債を負うこととなり、結果、廃業・売却、なんていう事例はそこここに聞く話である。


 飯沼本家は石橋をたたいて叩いて、結局渡らない、という事も多くあり、それゆえにバブル時の恩恵は殆ど受けなかった。もっと土地を買っておけばよかったのに、もっと株を買っておけばよかったのに、と思いながら過ごしたバブル期であったがゆえに、バブル崩壊後大きな傷は受けなかった。一方、その他酒にまつわる法規制の強化やリーマンショックなどの社会的事象により、日本酒業界の縮小の構図は確実に進んでいった。そして今回のコロナ禍。


 自分たちの力ではどうしようもない状況の中、その時その時でどう対処するかは己で決定しなければならなかった。その結果は誰のせいでもない、自分たちが選んだ結果である。


 これからも社会情勢は日々変化していくだろう。その時々で何をどう決めていくかは自分たちの責任だ。結果を悔いても何も生み出さない。良い結果であれ悪い結果であれ、それは己で決めたことの結果なのである。


 このことをいやというほど思い知らされた年月だったと思っている。


なるようにしかならない。この中でいかに明日を創っていくか。後ろを振り返ることなく次の一手を考えていくことが私の役目だと思っている。


 


written by イイヌマ ミキコ


 


 

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